ここ数ヶ月、平均月24万円の配当を安定的に受け取ってきました。
“理想的なインカム戦略”といってもいい、順調な滑り出し。
けれど今月──関税ショックをきっかけに、少しずつ空気が変わり始めました。
特にここまで成果を支えてきた分配型投資信託に、
“分配ゼロ”という不安定な動きが出てきたことで、
ポートフォリオの再構成を意識せざるを得なくなりました。
この記事では、
資産が伸び悩んでいるときにこそ考えたい、「見直しと調整」の視点を、
高利回り投資家の立場からリアルに綴っていきます。
🟦 導入|配当は積み上がっている。でも資産全体は停滞している
Contents
ここ数ヶ月、配当額はしっかり積み上がっています。
月24万円というラインを維持できていて、配当だけで生活費の9割近くをカバー。
数字だけ見れば、「理想的な配当生活じゃないか」と言われるかもしれません。
でも、配当とは別に気になるのが、資産全体の評価額の停滞です。
ここ最近の相場全体の動き、
特に2025年4月の“関税ショック”以降、
米国市場も一気に揺れ、僕のポートフォリオも横ばい~やや減少へ。
不思議なもので、配当は入ってくるのに、
資産全体としては“増えている実感”が持てなくなる。
このギャップが、思った以上に精神的にくるんです。
でも、だからこそ思いました。
「こういう“資産が動かないとき”こそ、
ポートフォリオを冷静に、整えるタイミングじゃないか?」
配当が順調な今だからこそ、戦略の「見直し」と「再設計」の余地がある。
そんな視点から、今回の記事を書いてみようと思いました。
🟩 第1章|高利回り投資スタイルは「定期点検」が必須
僕が今メインで採用しているのは、利回り9%前後の超高配当戦略です。
一般的なインカム投資よりも、やや“尖ったスタイル”だと思います。
このスタイルの魅力は、何と言っても**「成果が数字として見えるスピード」**。
毎月のように配当が振り込まれ、
「お金が働いている実感」がリアルに得られる。
しかも、それを再投資すればさらなる配当につながっていく──
そんな好循環が、数字としても気持ちとしても“やる気”を引き上げてくれます。
でも、この“手応えの速さ”が、逆に落とし穴になることもある。
利回りが高い=いい銘柄、というわけではない。
むしろ、利回りが高すぎるものには、
- 減配リスクが高い
- 株価下落が止まりにくい
- 業績の不安定さを隠す“数字マジック”
──そういった“危うさ”が潜んでいることも多いんです。
たとえば、利回り9%という数字は、配当が維持されている限りは魅力的です。
でも、その前提が崩れた瞬間に、株価も資産全体も大きく揺らぐ可能性がある。
だからこそ、こうした高利回りスタイルを採っている自分にとっては、
「配当が出ているからOK」ではなく、
“配当が出ているうちに、定期点検と調整をしておく”ことが何より重要。
今のような「停滞期」「相場の変調期」には、
逆に“次の不安定さ”を事前に察知するチャンスでもあります。
このあと第2章では、
その中でも特に大きな役割を担っていた**「分配型投信の比率」**と、
実際に比率を落とす判断に至ったプロセスについてお話しします。
🟩 第2章|分配型投資信託の“良いとき・悪いとき”を経験して分かったこと
ここ数ヶ月、配当24万円を支えてくれた存在の一つが、分配型の投資信託でした。
これはある意味、実験的に組み入れてみたもので、「当たればラッキー」くらいの感覚から始まりました。
実際に投資してみると──
分配は毎月安定的に入ってくるし、
基準価額の上下もそこまで気にならない。
**「使いやすく、回しやすいな」**というのが正直な印象でした。
この使い勝手の良さに加えて、利回りも6〜8%台が期待できる。
僕のように再投資を重視するスタイルには、かなり相性が良かったんです。
その結果、気づけば──
分配型の比率が全体の中でもかなり大きくなっていました。
でも、ここに落とし穴がありました。
2025年4月、関税ショック。
為替と株価が一気に動き、市場の不安定さが一気に表面化したとき、
分配型のパフォーマンスが、大きくブレたんです。
中には、分配“ゼロ”の月が発生した投信もありました。
これを目の当たりにして思ったのは、
「良いときのイメージのまま、比率を上げすぎていたかもしれないな」
という反省です。
分配型投信は、あくまで“ツール”であって主力ではない。
それを“戦略の柱”に近い位置に置いてしまったのは、今思えばリスクの取りすぎでした。
そこで今回、あえて分配型の比率を落とす判断をしました。
- 無配の可能性を想定に織り込む
- 再投資先の選択肢を増やす
- 基盤はやはり、米国個別株(MO、PM、VZなど)で固める
戦略の“柔軟性”を取り戻すための調整。
これは、将来の伸びのためというよりも、守るための一手です。
🟩 第3章|利確も損切りも「やる前提」で動くスタイル
インカム投資というと、
「一度買ったら配当をもらい続けるだけ」と思われがちです。
でも僕は、利確も損切りも、普通に“やる前提”で投資しています。
もちろん、「持ち続ける」ことで得られる配当の魅力は大きいです。
ただし、それが**“不安定な構成”の上にあるなら話は別。**
配当が出ていても、
その企業の業績が下がり続けていたり、
分配金の原資が不透明だったりする場合は、
迷わず一部利確・撤退という判断をします。
今回の分配型投信も、
一部は今後復活する可能性があるかもしれない。
でも、「回収できるうちに比率を調整する」ことの方が大事だと考えました。
こうした判断は、将来から見れば「早すぎた」と思うかもしれません。
でも、僕にとっては、
「決断が遅れてダメージを広げる方が怖い」
だから、利確も損切りも迷わない。
むしろ、こういう「柔軟に動ける設計」にしておくことこそ、
自分のスタイルを活かすための条件だと思っています。
このあとの終章では、
「これはあくまで僕のスタイルです」という立場から、
インデックス投資など他の手法と比較しつつ、考え方を整理していきます。
🟩 第4章|これはあくまで「スタイルの話」──真似する必要はありません
ここまで読んでくださった方の中には、
「え、こんなに動くんだ?」とか
「分配型そんなに入れてるの?」と、驚かれた方もいるかもしれません。
でも、これはあくまで僕自身の投資スタイルです。
たとえば、インデックス投資なら
・バイ&ホールドで積み立てていく
・相場に一喜一憂せず、20年後を信じる
──という考え方が王道ですし、再現性も高い。
一方、僕のような
**「高利回り×再投資×比率調整型」**のスタイルは、
ぶっちゃけ、例外中の例外だと思っています(笑)
実際、配当月24万円という成果は出ていますが、
その裏には「分配金ゼロの月が来る」「銘柄ごとに撤退判断が必要」といった、
神経を使う場面も多い。
だから僕は、自分のやり方を「おすすめしたい」とは思いません。
ただ、「こういう視点もあるんだな」とか
「タイミングを見て調整するのもアリかもな」とか、
そんな“考え方の引き出し”の一つとして、読んでもらえたらうれしいです。
🟩 終章|資産が増えない時期こそ、“仕組みの精度”を上げる
相場が穏やかに上がっているときや、資産がぐんぐん伸びているときは、
配当戦略も「このままでいいか」と思いやすいものです。
でも、資産が停滞しているときこそ、
ポートフォリオの“精度”が問われると、最近強く感じています。
- この配当は来月も出るのか?
- 今の比率は偏っていないか?
- 再投資の余白は残せているか?
そうした“仕組みそのものの見直し”を、
派手な調整ではなく、静かに整える。
これが、後々になって効いてくると僕は信じています。
今回、自分がやったのは「攻め」ではなく「整え」でした。
- 分配型投信の比率を見直したこと
- 利確・損切りも含めてポートフォリオを軽くしたこと
- そして、“あくまで仕組みの中で回していく”という姿勢を再確認したこと
資産が伸びないときほど、やるべきことは派手じゃない。
むしろ、「派手にやりすぎない」ことが、
自分の戦略を長く続けるコツなのかもしれません。
高配当も分配型も、やってみないと分からないことばかりです。
失敗も込みで、「それも一つの勉強」と思いながら、
今もコツコツ、リアルに積み上げてるところです。
じゃあ、この調整のあと──どうやって配当をまた積み上げていくのか?
次はそんな「攻め直し」について考えていきたいと思います。