〜生活水準は「上げたら戻れない」、だからこそ今考えておきたいこと〜
① シミュレーションだけじゃFIREはできない。鍵は「行動できるかどうか」
Contents
「利回り5%、支出300万円でFIRE達成」――
そんなシミュレーション、FIREを目指す人なら一度はやったことがあると思います。
でも、**その数字を信じて、実際に“踏み出せるかどうか”**は別の話。
そして、多くの人がぶつかる壁こそが、
お金に対する“欲”との向き合い方
なんですよね。
・もっと資産を増やしたい
・もっと安心してからじゃないと怖い
・もっと自由になったら、今より贅沢したい
「利回りの計算」よりも、「心の欲望」との対話の方がずっと難しい。
結局、**行動を決めるのは“数字”じゃなく“感情”**なんです。
② お金の“欲”は、形を変えて何度も現れる
お金の欲望って、実はとても柔軟です。
FIREを目指す中でも、いろんな形に変化して現れます。
📈「もっと稼ぎたい」「もっと増やしたい」という成長欲
投資がうまくいって配当が増えてくると、 「もっと高利回りを狙ってみようか」「あと100万円増やせれば…」
という“次のステージへの欲”が生まれてきます。
🏖「今を楽しみたい」「使わないともったいない」という享楽欲
一方で、 「今を我慢して、未来ばかり考えてどうするの?」 「旅行くらい行ってもいいんじゃない?」 という“使う側の欲”も湧いてきます。
どちらも自然な感情ですが、これらが生活水準の上昇につながっていくんです。
③ 一度上げた生活水準は、なかなか戻せない
これはFIREを目指す中で一番見落とされがちなポイントです。
生活水準=一度上げたら、固定費化する
たとえばこんなパターン、よくありますよね。
🔹 昇給した → 家賃を上げる → 家具家電も揃える → 支出アップ
🔹 副収入が増えた → 外食やレジャーを増やす → 「それが普通」になる
🔹 投資が成功した → 生活を少し緩める → それが基準になる
そして、それに慣れてしまうと――
いざFIREして支出を抑える生活に戻そうとしても、違和感だらけになる。
まるで「生活のグレード」が一度上がると、
その“標準装備”が降格できなくなるような感じです。
✅ じゃあ、どうすればいい?
FIREを本気で目指すなら、必要なのは**「収入を増やすこと」ではなく**、
**「満足の基準を見つめ直すこと」**かもしれません。
- 外食の回数が減っても、家族で囲む食卓に満足できるか
- モノを減らしても、自由な時間を増やすことに価値を見いだせるか
- 安心の金額に届いていなくても、「今の生活を整える工夫」を楽しめるか
これらができれば、FIRE後の生活も無理なく“納得感”のあるものになります。
④ FIREにおける“満足度”の再定義
お金をかけない生活 = つまらない生活…本当にそうでしょうか?
FIREを考えるとき、よく出てくるのが「支出を抑える=我慢する」という発想。
でも、実際には**“満足の質”を見直すチャンス**でもあります。
💡 節約ではなく、「本当に大切なもの」を見つける視点
FIREは、贅沢を減らすゲームじゃない。
「幸せのコスパ」を上げるゲームだと思うんです。
たとえば――
- 🌟 外食→家族との手作りごはん
→ 食費は半分、会話は倍増。 - 🌟 モノ→時間や経験への投資
→ 高いガジェットより、家族との公園遊びが心に残る。 - 🌟 ブランド服→毎日を楽にする動きやすい普段着
→ 見栄より、生活の機能性を優先。
「これがあれば、自分たちは満足できる」
そんな**“我が家の幸せリスト”**があると、支出を減らしても心は豊かに保てます。
⑤ 我が家なりの「FIRE判断軸」を持とう
FIREのゴールは、“何歳までに○万円”だけでは測れません。
**「その金額で、自分たちは納得できるか?」**が一番のポイントです。
私の場合――
✅ 生活費は25〜30万円前後に抑えられていて、すでに高い再現性あり
✅ 「配当190万円/年」がすでに実現できていて、資産3,500万円も突破済み
✅ 生活の満足度を下げずに、お小遣い制度なしでやりくりできている
これはもう、FIRE準備としてはかなり完成形に近いモデルケースです。
🔍 判断軸の例:我が家が大切にしたいことは?
- 👶 教育 → 息子さんの大学進学までの支出をどう見積もるか
- 🕰 時間 → 共働きよりも「家族時間優先」で働き方を調整したいか
- 🧘 健康 → 食生活・運動習慣・医療費の備えなど
こういった軸が定まると、「これ以上の支出は不要」という線引きができるんですよね。
つまり、「これ以上求めない」という“納得ライン”を持つことが、FIRE成功のカギになるんです。
⑥ 結論:FIREとは、欲望を否定することではない
最終的に言えるのは――
**FIREは「欲を無くす旅」ではなく、「欲と整えていく旅」**だということ。
🚫 我慢して生きるFIREは、長続きしない
「使いたいけど我慢」「買いたいけど我慢」
これではFIREしても不満が溜まって、結局働きに戻る人もいます。
✅ 納得して選ぶFIREは、しなやかに続けられる
- 「これは本当に欲しい」
- 「これはもう必要ない」
そんな納得の判断ができると、生活はシンプルに、でも心は豊かになります。
🏡 最後に:FIREの“正解”は、家庭ごとに違っていい
FIREに“公式”はありません。
利回りも、配当額も、支出の内容も――全部、家庭の価値観次第。
だからこそ、シミュレーションよりも大切なのは、
「自分たちは何を大切にしたいのか?」を、家族でしっかり話すこと。
生活コストを抑えつつ、納得できる満足度を築いていくスタイルは、
まさにFIREの“王道”であり“リアル”だと思います。