🟦 導入|気づけば、配当のことばかり考えていた
前回の記事では、
**「月24万円の配当は本当に続くのか?」**という問いから、
自分なりの“減配リスク”への対策や、配当戦略の見直しポイントを整理しました。
配当月の偏り、過度な高利回り銘柄への依存、
そして日本市場の構造的なリスク──
数字が積み上がった今だからこそ、改めて「守り」の視点が必要だと感じた内容でした。
でも、記事を書いたあと、ふと立ち止まったんです。
「そもそも、なぜ自分はここまで“配当”にこだわってるんだろう?」
配当が多ければ多いほどいい。
減らさないように、壊れないように、仕組みを整える。
気づけば、毎日のようにそのことを考えている。
これはもはや、投資の成果を超えた“執着”に近い感情かもしれない──
そんな違和感が、この記事を書くきっかけでした。
今回は、これまで数字や戦略で語ってきた「配当」というテーマを、
もっと感情や価値観のレベルで掘り下げてみようと思います。
「なぜ、こんなにも配当を大事にしているのか?」
「なぜ“月24万円の配当”が、単なる通帳の数字以上に思えるのか?」
その答えを、僕自身の“生き方”や“考え方”を通して見つめ直してみたいと思います。
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🟩 第1章|配当は「自動で入ってくるお金」以上の意味を持つようになった
最初は、もちろん「不労所得」という響きに惹かれて始めた配当投資。
働かなくても、毎月数万円のお金が口座に振り込まれる。
当時の僕にとって、それは夢のような未来でした。
でも、月1万円、3万円、10万円と積み上がっていくうちに、
「この配当は、単なるお金じゃないな」と思うようになってきたんです。
たとえば──
- 僕が体調を崩して仕事を数日休んでも、いつもどおり配当は振り込まれた
- 休日、息子と遊んでいるときに「あ、今日はMO(アルトリア)の入金日だ」と気づいた
- 住宅ローンの引き落とし日が近づいたとき、「今月の配当でカバーできる」と思ってほっとした
そんな瞬間が何度も重なるうちに、
配当という仕組みは、「数字以上の支え」になっていきました。
毎月自動で振り込まれるお金──
それ自体は確かに“小さな金額”かもしれません。
でも、その仕組みがあるだけで、“自分は一人じゃない”と思える強さがある。
自分が動けなくても、お金が働いてくれる。
それは、僕にとって“収入”というより、
**「自信の裏付け」**みたいなものになっている気がします。
配当を積み上げることで、
「最悪の事態がきても、なんとかなる」
そんな安心感を、少しずつ自分の中に育てているような──そんな感覚です。
🟩 第2章|“最悪”を常に想定する自分の性格が、その背景にある
「配当は“もしも”のための準備」
これは、僕が今の戦略にこだわっている一番の理由かもしれません。
僕は、根っからの“楽観主義者”ではありません。
むしろ、どちらかというと「最悪のケース」を先に想定して動くタイプです。
たとえば──
- 「終身雇用」は、もう制度としての信頼が揺らいでいる
- 給料が減るかもしれない
- 勤め先が突然傾くこともあるかもしれない
- 体調を崩して、働けなくなるかもしれない
こうしたリスクが「現実としてあり得る」と思ってしまうんです。
それを一番強く意識するようになったのは、住宅ローンを組んだときでした。
毎月、10万円前後の固定支出が20年・30年と続くプレッシャー。
しかもその間に、物価は上がる、税金も上がる、教育費も増える──
「本当に、このままで払っていけるのか?」
そんな漠然とした不安が、常に頭の片隅にありました。
そのとき、「何があっても毎月入ってくるお金が欲しい」と強く思ったんです。
それが、“配当金”という仕組みに惹かれたきっかけでした。
給料が下がっても、会社が変わっても、
何かが壊れても──
配当さえあれば、“ゼロ”にはならない。
配当は、“いつかの夢”ではなく、**“非常事態のセーフティネット”**として、
僕の戦略の中心に座るようになっていきました。
🟩 第3章|投資ではなく、“生き方”の一部になってきた配当戦略
気づけば、配当は単なる“お金を増やす方法”ではなくなっていました。
配当金が毎月コンスタントに入ってくるようになってから、
僕の働き方・考え方・暮らし方にも、少しずつ変化が出てきたんです。
✅ 働き方に「余裕」が生まれた
- 仕事で無理をしても、「最悪辞めてもなんとかなる」という心の支え
- 評価や出世を焦らずに、「長く働く」ことを重視できるようになった
- 転職や副業など、「選べる」感覚が持てた
✅ 子育てに「時間」をかけられるようになった
- 配当があるから、収入よりも“生活全体の充実度”を重視できる
- 息子との時間を確保することが“最優先”になった
- 「今しかない時間に、ちゃんと向き合えている」という感覚
✅ 将来のことを「冷静に」考えられるようになった
- 家計を数字で管理できるようになった
- 「いつまで働きたいか」「どのタイミングで収入の柱を切り替えるか」
- そうした長期視点の設計ができるようになってきた
配当があれば、すべてが解決するわけじゃありません。
でも、「大きな波にのまれず、自分のペースで生きられる力」には確実になっていると感じています。
僕にとって配当は、“夢を買うもの”ではありません。
**“選択肢を奪われないための保険”**です。
- 働き続けたいと思えたときに働けるように
- 家族と過ごしたいときに、その選択ができるように
- 何が起きても「なんとかなる」と思えるように
そのすべてを支えるのが、仕組みとしての配当戦略なんです。
🟩 第4章|FIREではなく、「選べる」状態を目指している
僕はFIRE(経済的自立+早期リタイア)を否定するつもりはありません。
でも、自分自身がそこをゴールにしているか?と問われると、答えは「NO」です。
今すぐリタイアしたいわけではないし、
むしろ仕事は嫌いではない。
人とのつながりや、日々の成長感も、働く中で得られる大事な要素です。
でも一方で、**「働かなくてもいいけど、働いている」**という状態には強く惹かれます。
- 働くことが“義務”ではなく“選択”になる
- 辞める/続けるを「自分の意思」で決められる
- 気持ちよく働ける環境じゃないなら、「降りてもいい」と思える余裕がある
この「選べる自由」は、配当という仕組みがなければ得られませんでした。
給料以外の収入がある。
しかも、それは**“再現性が高く、比較的安定している仕組み”として手に入っている**。
それが、精神的にも行動的にも、大きな余白を生んでいます。
つまり僕にとって配当とは──
「いつか仕事を辞めるため」じゃなく、「働き方を選ぶため」の手段なんです。
🟩 終章|配当は、数字の話ではなく、自分の価値観の話だった
これまでの投資人生を振り返ると、
S&P500に積み立てた時期もあれば、日本株の優待を追っていた時期もあります。
時代によって、手法やアセットの配分は変わってきました。
でも、たったひとつだけ変わらなかった軸があります。
それが、「配当を積み上げていくこと」。
なぜなのか?
最初は“お金が欲しかった”だけかもしれません。
でも今は違います。
配当とは、僕にとって**「どう生きたいか?」を考えるためのツール**なんです。
- 不安に備えるため
- 自分の時間を取り戻すため
- 家族との時間を大切にするため
- 自分の仕事に“納得”して関わり続けるため
それらすべてに共通するのが、「選べる人生」であり、
その選択肢を支えてくれているのが、配当という“もう一つの収入軸”なんだと思います。
今後も、投資のスタイルや相場環境は変わるでしょう。
でもこの軸は、きっと変わらずに持ち続けていく気がしています。
そして次回は、
「配当があることで、暮らしがどう変わってきたのか?」
数字だけでは測れない“感覚の変化”について、あらためて整理してみたいと思います。
「お金」じゃなく、「価値観」の話としての配当。
それが、今の僕が考えている投資のかたちです。