今週の資産報告記事でも触れましたが、
ここ最近、マーケットが大きく動いています。
特に米国の政策発言や、為替、インフレ懸念などの影響で、
私の資産もここまで積み上げてきたなかで、久々に大きく目減りする場面がありました。
普段の配当投資スタイルではあまり気にしないようにしているとはいえ、
資産額のグラフが明確に“下を向く”のを見ると──さすがに心がざわつきます。
でも、ふと立ち止まってみて、今回は明らかにこれまでと違う感情があることに気づきました。
それは、
「不安」ではなく、“冷静さ”と、“ある種の期待”のようなもの。
資産が減っているのに、なぜだか──
「今、動くときかもしれない」
「この下落は、自分にとってチャンスかも」
そう感じている自分がいたんです。
この記事では、そんな**“揺れない感情”がどこから来ているのか**を、
あらためて自分自身の言葉で整理してみたいと思います。
- なぜ、資産が減っても落ち着いていられるのか
- なぜ、この局面で「買い増し」を考えられるのか
- そして、その支えとなっている“投資の土台”とは?
✅ 第1章:資産が減る現実──それでも焦らなかった理由
もしこれが数年前の自分だったら、たぶんこう考えていたと思います。
- 「あのとき売っておけばよかった…」
- 「もっと安全な投資を選ぶべきだったかな…」
- 「今すぐ売って、これ以上の損を防ごうか…」
──つまり、過去への後悔や、将来への恐怖が心を支配していたと思います。
でも今回は違いました。
株価が大きく下がっても、「これは買い増しのチャンスかもしれない」と思えたんです。
それは、自分の中にある「判断軸」が少しずつ育ってきたからだと思っています。
✅ 第2章:「配当が増える」という視点が冷静さをくれた
株価が下がるということは、企業の価値が下がること…と考えがちですが、
配当投資家の視点はちょっと違います。
下がることで、配当利回りが上がるんです。
たとえば、100円の配当を出す株が1,000円から900円に下がれば、利回りは10%から11.1%にアップします。
※実際には数値は出しませんが、読者にはこの感覚が伝わればOKです。
つまり、同じお金でも「より多くの将来の配当=キャッシュフロー」を買えるチャンス。
目の前の資産が減っている現実はある。
でも、それと同時に「これから積み上がる未来の収入」が増えているという事実もある。
💬 こんな感覚になりませんか?
「資産は減ったのに、ちょっとワクワクしている自分がいる」
そんな“矛盾した気持ち”って、配当投資を続けている人なら、きっと一度は味わったことがあるんじゃないでしょうか。
この視点を持てるようになったのは、やっぱり“配当という軸”が育ってきたから。
金額に左右されるのではなく、「どれだけ自分が信じて行動できるか」に軸足を置くことで、
不安よりも「冷静な選択」ができるようになったんだと思います。
✅ 第3章:自分を支える「3つの仕組み」
相場が荒れても冷静でいられるのは、メンタルの強さではなく、
あくまで仕組みが支えてくれているからです。
自分自身が意識して整えてきた仕組みは、主にこの3つです。
① 自動で続く積立設定
毎月決まった金額を、機械的に積み立てる設定をしています。
たとえば、インデックスファンドや高配当ETFなどを日を決めて毎月購入。
✅ 例:S&P500インデックスファンドを毎月●日に3万円積立
これがあると、相場を毎日チェックする必要がありません。
上がっていても、下がっていても、「買う」ことは変わらない。
つまり、判断を“習慣化”してしまうことで、感情に左右されない投資ができます。
② 配当の見える化(月々の実感が心を支える)
配当投資をしていると、月ごとにお金が入ってきます。
これをただ「なんとなく」ではなく、記録して、見える化していることが大きな支えになっています。
✅ 例:月の配当金を手帳に記録/配当管理アプリで推移をグラフ化
「今月の配当、去年より5,000円増えてるな」
「もう少しで月○万円に届きそう」
そう思えると、資産が下がっていても“成長している実感”が持てるんです。
③ キャッシュの備え(下落でも“買える余裕”を持つ)
どんなに理屈で「下がったらチャンス」と思っていても、
手元に資金がなければ買い増しはできません。
私は、急落時に備えて最低でも○か月分の生活費+αの現金ポジションを常に持つようにしています。
✅ 例:「3か月分の生活費+30万円」のキャッシュを確保
✅ 配当や副収入が入ったときも、一部は現金で保留
この備えがあるだけで、急落時にも「慌てず、動ける」。
守るだけでなく、“攻める余力”を持つことが安心感につながります。
これらの仕組みがあるからこそ、下落時にも迷いが少なく、行動が取れるようになりました。
投資における最大のリスクは、判断がぶれて行動できなくなることです。
その“ブレ”を防いでくれるのが、こうした仕組みたちなのだと実感しています。
✅ 第4章:「信じて続ける力」は後から育つ
今でこそ落ち着いて見れるようになったものの、最初からそうだったわけではありません。
はじめの頃は、株価ばかり見ていました
朝起きたらすぐ株価チェック、
お昼休みにも、夜寝る前にも株価チェック。
- 含み益が出ていれば「まだ上がるかも」と欲が出る
- 含み損が出ていれば「損切りすべきか…」と悩む
──まさに感情で投資していた時期がありました。
でも、配当が積み上がるにつれて変化が起きた
毎月届く配当金を見ているうちに、
「価格じゃない、“成果”が見えてるな」と気づくようになりました。
✅ 例:「今月も○○円の配当。これで子どものオムツ代はまかなえるな」
✅ 「資産が減っても、配当は増えている。これは続けたから得られたことだ」
この“積み上がっていく感覚”が、心の軸になったんです。
プロセスを信じられるようになったのは、経験の積み重ね
投資の世界では「短期で結果を求めすぎると、逆に失敗する」と言われます。
それを何度も体験する中で、「焦らず、信じて、積み上げていく」ことが一番の近道だとようやく実感できるようになりました。
この「信じて続ける力」は、特別な才能でも、知識でもなくて──
行動を繰り返してきたことで自然と育ったものです。
そして今のような下落局面でこそ、その力が本物かどうかが試されている気がします。
✅ まとめ:今の投資、10年後も続けられそうですか?
株価が大きく動くとき──
私たちは自然と、「この判断、正しかったのかな?」と揺れます。
でも、ここで大切なのは、**「当てられたかどうか」ではなく、
「今の投資を、10年後も続けられるかどうか」**という視点です。
● 当てようとする投資は、いつか疲れる
「今が天井かも」
「ここが底だろう」
──そんな“当てにいく投資”は、一見うまくいきそうに見えて、実は精神的なコストが高い。
上がっても、下がっても、不安や後悔はついてくる。
いつのまにか、投資が“苦しいもの”になってしまいます。
● 積み上げる投資は、ブレない軸をくれる
対して、配当金のような「積み上がる成果」があると、
日々の値動きに一喜一憂せずに済むようになります。
✅「今月も○○円の配当が入った」
✅「少しずつ増えてきたな」
✅「この調子で、あと○年続ければ…」
こうして自分の中に“成長実感”が蓄積されていく。
これが、“続ける力”の源になります。
● 不安なときこそ、自分の投資に「軸」があるかを見直す
相場が荒れている今こそ、自分に問いかけてみるべきタイミングです。
🔎 自分に問いかけてみてください:
- ✔ この投資を、今後10年も続けたいと思えるか?
- ✔ 「下がったら買えた自分」が、今の投資にいるか?
- ✔ 毎月、積み上がっているものはあるか?(配当、経験、自信)
● “動ける仕組み”があるかどうかが、未来を分ける
どんなに正しい判断でも、
行動できなければ意味がありません。
だから大事なのは──
「動ける状態にしておくこと」=仕組み化
- 積立の自動化
- キャッシュの確保
- 投資ルールの明文化
- 感情を切り離すための工夫
こうした仕組みがあれば、不安なときでも、行動に迷いがなくなる。
そして、それが投資家としての“軸”になります。
🧭 最後にひとこと
相場はいつだって揺れ動きます。
でも、自分の心と判断軸まで一緒に揺れてはいけない。
大切なのは、下落局面でどうするか。
そして、その行動を「自分の信じた形」で貫けるか。
配当は今日も積み上がる。
資産の上下に関係なく、未来の自分を支え