1億円あっても不安。でも月25万円で安心。
そんな価値観に気づいてから、僕は「FIRE=資産額の話じゃない」と思うようになりました。
家計調査のデータを見て分かったのは、
“支出”こそがFIREの核心であり、僕たちの未来の設計図になるということ。
今回は、政府の家計支出データ(月30万円時代)と僕の実生活(月25万円以下)を比べながら、
息子が成人する16年後にサイドFIREを目指す現実的な道筋を考えていきます。
✅1. 月30万円時代の到来|家計調査から見る現実
2024年の総務省「家計調査」によると、二人以上の世帯の平均支出は月額30万円を超えています(正確には約30.2万円)。
これは、前年よりも名目で約2.1%の増加。背景には次のような要因があります:
総務省「家計調査報告-2024年(令和6年)12月分及び2024年平均-」
🔺 家計を圧迫する要因
- 物価の上昇(インフレ):食料・日用品・ガソリン・光熱費の継続的な値上げ
- 社会保険料や税負担の増加:手取りが増えにくい
- 教育費・医療費の上昇傾向:特に子育て世帯への影響大
これにより、FIRE(経済的自立・早期リタイア)を目指すうえでの必要資産額も自然と増加しています。
📌「FIREに必要な資産額」は支出次第で大きく変わる
月間支出 | 年間支出 | 必要資産(利回り4%) |
---|---|---|
25万円 | 300万円 | 7,500万円 |
30万円 | 360万円 | 9,000万円 |
35万円 | 420万円 | 1億500万円 |
たとえば、月5万円支出が増えるだけで、必要資産は1,500万円も変わるのです。
✅2. 我が家の支出は月25万円〜30万円|“平均レベル”でも満足できる暮らし
最近の物価高騰の影響を受けて、我が家の月間支出も25〜30万円ほどに増加してきました。
一時期は20万円台前半で安定していたのですが、以下のような項目でじわじわ支出が上がってきています:
📈 支出増加の背景(実感ベースの具体例)
項目 | 最近の変化 |
---|---|
食費 | 豆腐・卵・パン・バナナなど日常品が1〜2割値上がり |
光熱費 | 電気・ガス代が高止まり。夏冬は2万円超えも珍しくない |
保育園関係 | 保育料以外にもおむつ・衣類・イベント代がちょこちょこ出費 |
日用品 | ティッシュや洗剤など**「安い時にまとめ買い」が効かなくなった** |
教育関連 | 幼児教材・絵本など息子への支出が増えやすい(嬉しいけど) |
💬それでも「苦しい」と感じない理由
現在の収入は、**総支給で月35万円程度(手取りで約27〜28万円)**です。
この中で「25〜30万円」という支出は、ギリギリ〜トントンのラインとも言えます。
でも、「余裕がない」「しんどい」と感じることはあまりありません。
なぜなら、次の3つの要素があるからです:
✅ 家計の安心ポイント
- 固定費の最適化
- 通信費は格安SIM、保険は最低限、住宅ローンなし(or家賃が安い)など
- 無駄な娯楽支出ゼロ
- 飲み会ゼロ・お酒もなし・ガジェットは年1回吟味して購入
- 家族で協力する家計運営
- 「お小遣い制度」ではなく必要に応じて使うスタイル(妻とそれぞれ管理)
💡 結果的に、「FIREに向けた投資」が継続できている
- 月々の余剰資金+配当金は、生活費の補填ではなく「再投資」へ回せている
- 配当収入は月平均16万円(年間190万円)
- この配当で、生活費の5〜6割はすでにカバーできている状況
🔍 FIREに近づくコツは「最適化」であって「極端な節約」ではない
僕たちは、極端な節約はしていません。
**むしろ「使いたいところには使う」**というスタンスを貫いています。
たとえば、
- 息子への教育費・本代
- 毎朝のプロテイン+豆乳+バナナヨーグルト
- プログラミング教材や資格の受験料
これらは削らず、むしろ“投資”として考えています。
📌 FIREの本質は「収入 − 支出 = 投資余力」の最大化
支出をコントロールしながら、 収入と配当を最大限活かしていくことで、
たとえ平均支出並みの生活であっても、FIREに十分近づけるという実感があります。
次は、この「月25〜30万円生活」をもとに、
どれくらいの資産があればFIREできるのか?
「✅3. 月25万円生活でFIREを考えるとどうなる?」で詳しく見ていきます!
✅3. 月25万円生活でFIREを考えるとどうなる?
FIRE(経済的自立・早期リタイア)というと、よく耳にするのが…
「FIREするには1億円必要でしょ?」
という声。でも、それって**“支出が高い人の話”**なんですよね。
僕たちのように、月25〜30万円で暮らせる家庭なら、話はまったく変わってきます。
🔍 まずは生活費から逆算してみる
月の生活費 | 年間支出 | 利回り4%で必要な資産 |
---|---|---|
25万円 | 300万円 | 7,500万円 |
30万円 | 360万円 | 9,000万円 |
でも、ここで僕は配当投資を軸にしているので、利回りはもっと高めを前提に考えます。
📈 実際の配当利回りで計算すると?
たとえば、利回り6〜9%を目標にする高配当ポートフォリオなら、必要資産はこうなります:
年間支出 | 利回り5% | 利回り6% | 利回り8% |
---|---|---|---|
300万円 | 6,000万円 | 5,000万円 | 3,750万円 |
360万円 | 7,200万円 | 6,000万円 | 4,500万円 |
僕の現在の利回りは**約9%**なので、
年間配当190万円という現実は、資産約2,100万円で可能になっている計算です(※元本3,500万円の一部が無配や成長株含むため差あり)。
✅4. 息子が成人する16年後に向けた現実プラン
僕には今2歳の息子がいます。
彼が成人するのはちょうど16年後、僕が54歳になるタイミングです。
「このタイミングで“働き方”を変えられたら、きっと人生は豊かになる」と感じ、
僕はこの16年後を目標にサイドFIREを目指すことにしました。
🔍 現在の状況と目標のギャップを整理してみる
項目 | 現在 | 16年後の目標 |
---|---|---|
年齢 | 38歳 | 54歳 |
総資産(リスク資産) | 約3,500万円 | 約6,000万円(想定) |
年間配当 | 約190万円(配当利回り9%) | 約300万円(月25万円) |
支出 | 月25〜30万円 | 同程度(子の教育費次第で微増) |
📈 どんなシナリオで目標に近づけるか?
▷ケース1:このまま高配当+再投資を継続
- 利回り9%を維持しながら再投資すれば、あと数年で配当300万円も視野に
- 目標達成は10年以内も可能 → その後は「守りに入る」戦略もOK
▷ケース2:利回り5〜6%に抑えた安全ポートフォリオに切り替え
- より安定的な銘柄に切り替えると、必要資産は6,000万円前後
- 年平均4〜5%成長なら、積立+複利で16年あれば到達可能
✅ 追加で意識したい「現実的な選択肢」
選択肢 | 内容 |
---|---|
副収入を育てる | ブログ・YouTubeなどのコンテンツ資産、副業スキルもFIREを補完 |
軽労働を取り入れる | 子どもが成長したあとは「週2勤務」など柔軟な働き方へ |
生活スタイルを柔軟に見直す | 子育て期→教育費ピーク→巣立ち後、とフェーズごとの調整が前提 |
💬 最後に:サイドFIREは“未来のための保険”でもある
完全FIREと違って、サイドFIREは「働いてもいい、でも働かなくてもいい」状態。
もし、子どもの進学や親の介護、健康問題など**“人生の予期せぬ波”**が来たときでも、
「選べる状態」になっていることが最大の強みだと感じています。
✅5. FIREは節約ではなく“納得の支出設計”
僕がこのFIREという考え方に惹かれたのは、「自由になりたいから」でした。
でもそれは、「お金持ちになりたい」という話ではありません。
💡 本当の目的は「お金の不安から自由になること」
- 「このまま定年まで働き続けるのか…?」という漠然とした不安
- 「子どもとの時間が足りない」「人生が仕事に食われてる」感覚
- 「収入が減ったら、生活できない…」という依存状態
これらを**“配当収入+支出設計”という武器で打ち消していく**のが、
僕の目指すFIREの姿です。
✅ 節約は手段であって、目的ではない
僕たちは極端な節約はしていません。
- 朝のプロテイン・豆乳・バナナヨーグルトは欠かさない
- 息子のための絵本や教材にはお金をかける
- 自分の学び(Python・資格)には惜しまず投資する
こうした**「削らない部分」を持ちながら、他を見直す**ことで、
無理のない家計設計=FIREに耐えられる生活基盤を作っています。
🔍 「FIREは節約生活」と誤解されがちだけど…
実際には、「いくらあれば足りるのか」「何にお金を使いたいのか」
この“納得感のある支出設計”ができることこそ、FIREの本質なんだと感じています。
💬 まとめ:自由とは、“選んで使える”ということ
- 節約=我慢ではない
- 支出を把握し、必要な分だけ稼ぎ、投資で足りない部分を補う
- サイドFIREは、お金を「どう使うか」に納得できる状態とも言える
✅6. FIREはゴールではなく“選択肢”
FIREという言葉には、「完全に働かずに生きていく」みたいなイメージがつきがちです。
でも、僕がこの数年で感じたのは、FIREはゴールじゃないということ。
🔍 FIREは“働かなくていい”じゃなく、“働くかどうかを選べる”状態
- 「もう働かなくてもいい」という状態を持つことで、本当にやりたいことを選べる
- 「働きたいけど、無理はしたくない」「子どもと過ごす時間を最優先にしたい」
そんな**“選択の自由”**こそが、FIREの本当の価値だと思っています。
🔁 僕の人生とFIREの関係は、こう変わった
- かつて:**「1億円必要?ムリゲーだ…」**と感じていた
- 今 :「月25万円の支出で満足できるなら、話は変わる」
そして、月16万円の配当を得て、支出の6割をまかなえるようになった今、
「完全FIREじゃなくても、もう“十分自由”かもしれない」とも思っています。
🛠 これからFIREを目指す人へ、僕から伝えたいこと
- まずは自分の支出を“把握”することから始めよう
- 「いくら欲しい?」より「いくら使ってる?」が先
- “節約”ではなく“最適化”を意識しよう
- 削るところと使うところのメリハリが、継続できる家計をつくる
- FIREは「自由を買う手段」だと思ってみてほしい
- 子育ての時間、学びの時間、自分らしい働き方――
それらはお金で買えるものではないけど、お金がないと選べないものでもある
- 子育ての時間、学びの時間、自分らしい働き方――
✨まとめ:FIREは“選べる人生”を作るための手段
FIREは競争ではありません。
他人と比べて「早くリタイアしたい」「大金を貯めたい」と焦る必要もないんです。
自分にとって「ちょうどいい生活」「心地よい支出バランス」を見つけ、
ゆっくりでも、確実に“選べる人生”を手に入れていくことこそが、
FIREの醍醐味ではないでしょうか。
この記事が、どこかの誰かが「未来を前向きに設計するきっかけ」になれば嬉しいです。
「あなたにとっての“ちょうどいいFIRE”」は、どんな形ですか?