短期トレードの失敗から学んだこと
前回の記事では、短期トレードで資産を300万円から160万円に減らしてしまった経験についてお話ししました。
当時、私は短期的な株価の動きに一喜一憂し、利益を追い求めるあまり大きな損失を抱える結果となりました。株式投資の怖さを身をもって知り、精神的にも追い詰められた私は、「このまま投資をやめるべきか、それとも新たな道を模索すべきか」と悩みました。
しかし、資産を増やす必要性を痛感していた私は、再び株式投資に挑む道を選びます。そして、ある本との出会いをきっかけに、「配当金を得る」という安定した投資スタイルへと考え方を変えることになります。
詳細はリンク先の記事に記載していますが、一部を簡単にお伝えすると、当時の私は感情に流されて損切りを繰り返し、リスク管理ができていなかったことが大きな要因でした。
米国株投資との出会い
日本株での失敗を経験して、何か資産形成を精神的な負担が少なくやっていける方法はないか・・。そんなことを考えていました。
そんな中、近所のTSUTAYAで「バカでも稼げる米国株高配当投資」という本を手に取ったのが転機となりました。この本を読み進めるうちに、税制面でのハードルはあるものの、外国税額控除や確定申告を活用すれば克服可能であることを学びました。そして、米国株の高配当銘柄が安定した収益を生み出すという魅力に引き込まれていきました。
「株式投資の未来」とは?
『株式投資の未来』は、株式市場の歴史をデータで振り返り、配当や再投資が投資家に与える長期的な利益の重要性を説いた本です。著者ジェレミー・シーゲル氏は「株式市場は長期的には他の資産クラスを上回るリターンをもたらす」と主張。特に安定的な配当を出し続ける企業への投資が、リスクを抑えながら資産を増やす方法として効果的であることを明確に示しています。
この本を読んで、私は「長期的な視点で、安定した配当を得る投資こそ自分に合っている」と確信しました。
さらに、その中で紹介されていたジェレミー・シーゲル氏の『株式投資の未来』を購入。
データで裏付けられた「配当の力」が、私の投資哲学の核となります。この本では、配当を歴史的な観点から分析し、その重要性を説いています。最新のデータではありませんが、時代を超えて通用する本質が詰まっており、非常に見ごたえがありました。
この本を読むことで、「短期の値動きに振り回される」のではなく、「配当を受け取りながら資産を増やす」という投資スタイルに切り替える決意が固まりました。もし配当に興味があるなら、この本は本当に読んでみるべきだと思います。
米国株投資を始めるまで
2019年、私はついに米国株投資を始めました。それまでの日本株での失敗から、「とにかく安定した収益を得られる投資をしたい」という想いが強かったため、選んだのは連続増配株と呼ばれる安定した配当を出し続けている企業でした。
購入した銘柄は以下のような有名企業ばかりでした:
銘柄 | 企業名 | 事業概要 |
---|---|---|
PM | フィリップ・モリス | 世界的なタバコメーカー。加熱式タバコ「IQOS」で注目される。 |
MO | アルトリア | アメリカ国内のタバコ市場で大きなシェアを持つ。高配当が特徴。 |
CL | コルゲート | 世界的に有名な日用品・歯磨き粉メーカー。安定した需要が魅力。 |
ABBV | アッヴィ | 医薬品メーカー。特に免疫疾患治療薬「ヒュミラ」で知られる。 |
XOM | エクソンモービル | 世界最大級の石油・ガス会社。エネルギー分野で長年の実績を持つ。 |
PEP | ペプシコ | ソフトドリンクやスナック食品を手掛けるグローバル企業。コカ・コーラの競合企業。 |
KO | コカ・コーラ | 世界最大の清涼飲料メーカー。連続増配記録を誇り、安定した配当収入を提供。 |
初めての配当金の喜び
投資後、最初に受け取った配当金は約3000円程度。SBI証券の口座にドルで振り込まれたその瞬間を今でも鮮明に覚えています。
「初めて、自分が運用したお金が新たなお金を生み出した!」
その喜びは、金額以上の価値を持つものでした。今となっては3000円という金額には満足できませんが、当時の私にとっては「投資が実際に動き出した」という実感を得た重要な瞬間でした。この体験が、私を「配当金投資家」として歩み始めるきっかけとなりました。
配当金投資の意味
振り返れば、配当金が3000円だった頃から、「配当を受け取る喜び」と「再投資による成長」を学ぶことができたのは非常に大きかったと思います。銀行の預金金利がほぼゼロの時代、投資したお金が3%程度の利回りを生み出すこと自体が感動的でした。
この時、私はこう思いました:
「銀行口座に眠らせていたお金を働かせることで、少しずつでも資産が増えていくんだ」
さらに、この3000円が単発で終わらないことが、配当金投資の魅力をより実感させました。「毎年、そして毎月このお金が増えていくかもしれない」という期待感が、次の投資を加速させる大きなモチベーションになったのです。
配当金投資の成長とリスク
当時、月に受け取る配当金は1万円程度でしたが、現在は月に約20万円の配当金を受け取れるまでに成長しました。資産が増えるにつれて得られる配当金も大きくなりましたが、同時に「リスクを取っている」という実感も増しています。
どんな投資でもリスクは付き物ですが、長期的にコツコツ続けることで得られる成長を実感できるのは、この投資スタイルの魅力です。
配当金収入が月20万円に成長した背景について、詳細は以下の記事に記載しています。この中では、具体的な銘柄選びやポートフォリオ構築の方法、分散投資の戦略についても詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
投資スタイルは人それぞれ──「正解」はない
投資を続ける中で学んだことの一つは、「投資スタイルに正解はない」ということです。
例えば:
- インデックス投資で市場全体に投資する人
- 1銘柄に集中投資する人
- 30銘柄以上を分散保有する人
- 配当利回りを重視する人
これらはすべて、その人の置かれている状況(給料、住んでいる地域、家族構成など)によって適した方法が異なります。他人の投資スタイルを批判するのはナンセンスだと思います。
私自身、投資を始めた頃は自分に自信がなく、インフルエンサーの「これが買いだ!」という言葉に頼ることもありました。しかし、今では「自分の判断基準」を持つことの大切さを理解しています。自分の投資は、自分が納得して選ぶべきものなのです。
次なる試練──コロナショックの到来
そんな中、2020年に「コロナショック」という大きな試練が訪れます。急激な株価暴落は多くの投資家にとって苦しいものでした。
もし私が日本株投資を続けていたら、動揺し、退場していたかもしれません。しかし、配当金投資という「どっしり構える」スタイルを築いていた私は、冷静にこの荒波を乗り越えることができました。
次回の記事では、コロナショックという未曽有の危機にどう向き合い、どのように学びを得たのかをお話ししたいと思います。
【まとめ】
日本株での失敗から米国株投資に転換した私の経験は、「安定した収益を追求する」という新たな投資スタイルを築くきっかけとなりました。配当金は当初月1万円程度でしたが、現在は月20万円に成長。その過程で確定申告やリスク管理、そして投資スタイルを確立する大切さを学びました。
しかし、投資生活には常に試練が付き物です。次回は、コロナショックを通じて得た教訓を共有し、読者の皆さんの参考になればと思います。