投資を始めた頃の私と現在の私を比べると、投資スタイルだけでなく、メンタル面での変化が大きな違いとして挙げられます。当初は日本株の短期トレードを中心に投資をしていましたが、資産形成の進展とともに投資先やスタイルを変化させることで、焦りや不安から解放され、現在では冷静かつ楽しみながらリスクを取れる投資家へと成長しました。
1. 投資開始当初:小型株中心のスイングトレード
- 日本株のみ、小型株中心の投資
- 2019年、投資を始めたばかりの頃は、1000万円の資産を元手に日本株のスイングトレードを行っていました。
- 当時は、少ない資金で効率よく利益を狙うため、100株単位で購入可能な小型株を中心に投資していました。
- 目標は、1回のトレードで3~5%の利益を狙うことで、短期間で資産を増やそうと考えていました。
- 仕事中でも株価が気になる生活
- 株価の動きが気になりすぎて、仕事に集中できない日々を送っていました。
- 休憩のたびにスマホで株価をチェックし、トイレや移動中も常にポートフォリオの値動きを確認するような状態でした。
- 振り返ると: 今思えば、周囲から見れば異常に映る行動だったかもしれません。それだけ短期的な値動きに囚われ、精神的に余裕がない状況でした。
- 成功と失敗の繰り返し
- 成功例: 小型株を購入し、1週間で10%の利益(+10万円)を得たこともありました。
- 失敗例: トレードタイミングを誤り、1日で5%(-5万円)の損失を出し、焦って損切り。その後さらに株価が下落して追加損失という悪循環。
- 数カ月の結果として、資産は1000万円から850万円に減少し、投資に対する不安や焦りが募りました。
- 精神的な負担の大きさ
- 損失を取り返そうと、次のトレードで無理をしてさらに損失を出すという負のスパイラル。
- 当時は「株価が下がる=自分の価値が下がる」と感じるほど、投資が精神に与える影響は大きなものでした。
- 『株式投資の未来』との出会い
- そんな時に出会ったのがジェレミー・シーゲル氏の名著**『株式投資の未来』**でした。この本を読んだことで、米国株の長期的な成長性と、インカムゲインを重視した投資の素晴らしさを初めて知りました。
- 気づきと行動
- この本が教えてくれたこと:
- 米国市場は長期的に右肩上がりの成長を続けており、過去200年以上のデータがその信頼性を裏付けている。
- 配当再投資を活用することで、複利の力を最大限に引き出し、安定した資産形成が可能になる。
- 短期的な市場の変動ではなく、長期的な視点で資産を増やす重要性。
- これをきっかけに、日本市場に縛られた視野を広げ、米国市場での投資を本格的に開始しました。
- この本が教えてくれたこと:
2. 転換点:日本株から米国株へ、短期から長期投資へ
小型株中心のスイングトレードでの苦い経験を経て、投資スタイルを根本的に見直すことにしました。
- 米国市場への移行
- 日本市場の停滞感に限界を感じ、右肩上がりの成長が期待できる米国市場へシフトしました。
- S&P500やNasdaq100などのインデックスETFや、高配当株を中心に購入することで、短期の値動きに左右されない投資を目指しました。
- コロナショックでの教訓
- 2020年3月のコロナショックでは、一時的にポートフォリオが200万円以上減少しました。しかし、焦らず買い増しを行った結果、その後の急回復で資産は1200万円を超えました。
- この経験を通じて、「市場は回復する」という長期視点を持つことができるようになりました。
- 精神的な余裕が生まれる
- 配当金が年間50万円を超え、「株価の上下にかかわらず資産が増えている」という安心感が得られるように。
- 短期トレードのように常に値動きを追いかける必要がなくなり、仕事や生活に集中できるようになりました。
3. 資産が増えることで得たメンタルの成長
投資スタイルを米国株中心の長期投資に切り替えたことで、資産が増えると同時にメンタルにも大きな変化が生まれました。
- 給料分以上の変動に動じない
- 今では、1日の資産変動が30~50万円、月単位では100万円以上動くこともありますが、動じることはありません。
- コロナショック後の急回復を経験したことで、「一時的な下落は資産形成の通過点でしかない」と冷静に受け止められるようになりました。
- 自信を持てる理由
- 資産が増えるにつれて、値動きに一喜一憂せず、リスクを取ることに前向きになれました。
- 現在では年間配当収入が150万円以上となり、「配当というインカムがある限り資産は安定して増える」という安心感を持っています。
4. 投資を楽しむ余裕とリスクへの挑戦
資産規模が増えると、リスクに対する考え方も変わってきました。
- 「暴落=買い時」のマインド
- 暴落時には「資産が減った」というよりも「割安で買えるチャンス」と考えるようになりました。
- 実際、2022年の株価調整局面では、ポートフォリオ全体で300万円近く下落しましたが、それを買い増しの好機として活用しました。
- リスクを楽しむ投資家へ
- 資産が3000万円以上となり、余裕資金でリスクの高いセクターにも挑戦するなど、投資を楽しむ姿勢が生まれました。
5. まとめ:投資がメンタルを鍛え、成長を促すプロセス
投資を始めた当初、小型株中心の短期トレードで苦しんだ経験は、今の私を形作る重要な経験となりました。その後、米国市場への移行と長期投資への転換を経て、資産が増えるとともにメ
ンタルも大きく成長しました。
- 焦りから冷静さへ
初期の頃は1日の損失で大きく動揺していましたが、今では給料分以上の増減にも冷静でいられるようになりました。投資は長期的な目線で見ることが大切だと身をもって学びました。 - 土俵を変えた選択
日本市場から米国市場への移行、短期から長期投資への転換は、精神的な負担を大きく軽減し、資産形成の効率を飛躍的に高めました。 - リスクを楽しむ投資家へ
現在では資産が増えることで得た余裕を活かし、リスクを管理しながら楽しむ投資家として成長しています。
投資を始めた当初の私が、仕事中に株価チェックを欠かさなかったことを思い返すと、その頃の「株価に縛られる投資家」から、今では「株価を味方につける投資家」へと成長できたことを強く実感します。投資は単なるお金の増減ではなく、人生全体のメンタルを鍛え、豊かにしてくれる素晴らしいプロセスです。この経験が、他の投資家にとって少しでも参考になれば幸いです。